翠星のガルガンティア 4話 ネタバレあり感想

(以下ネタバレ)

今週こそ何もなくダラダラ進む話かと予想してたら、またもや意外にも、
Aパートはレドの失敗(そして対話と理解)、
Bパートはベベルとの会話やスコール、そして笛と弟の追憶と、
重要イベント連発、高密度な回だった。
見応えある、いい回だった。

以下、備忘と整理を兼ねて列挙。
概ね場面順。
取り上げる話題の粒度はまちまち。

アバン。
海賊船とのバトルで受けた損傷を修理中のガルガンティア。
船を連結しているようだ。
船団に新しい仲間が加わった様子。先日の貨物船団か。
フローターで周囲巻き込んで浮いてコケているチェインバーなにやってんの。どうやらうまく仕事できてないらしい。

Aパート。
親方。さっきの参加船団とは別のおっさん(アゴヒゲの有無で区別)。
コケてるチェインバー。紐絡まってる。この失敗は、アバンのものを同じ時間で別の角度から映してるのかも。だとすればその見せ方は興味深い。
さすがにロープ切っちゃダメ、再度用意するのに手間かかるし貴重品かもしれない。そのあたりはレドにはまだわからない。

ガレージを修理してるいろんなユンボロ。面白い絵。
「不便」と抗議するエイミー、優しいね。
守銭奴リジットから渡されたのは請求書。ですよねー
ちゃんとイーブンな取引を心がける真面目なリジット。

うまくコンテナを船から船へ運ぶチェインバー。さすがにユンボロも人も使い慣れてるあんちゃん、うまく運用してるね。
エイミーのいいキック。
子供いっぱいいるなあ!イントロダクションノベルでの子供のくだりを思い出す。
手を振って追い払うチェインバー、笑って逃げる子供、この距離感、微コミュニケーションのシーンは楽しい。今後この距離がもっと縮まることはあるのだろうか?
待機中のレド。この「待機」がBパートでのキーワードの一つに。
「ワカラナイ」楽器と知らずに作ってたのかよ?なぜ?(あとでわかります)
ヒディアーズの爪。
もう1個あるので気前よくエイミーにくれてやるレド。
「歩きながら話さない?」目的地と要件は?と思うのはレド脳。話したいから歩いてんのよ。

やっぱり弟・家族の概念のないレド。1話での会話から、ですよねーという感じ
海鳥が船と平行して飛んでる、いいシーン。上空にも鳥!
ベベルは宇宙に興味あるとのこと。2話でもいってたね、宇宙への道のり。
胸に病のあるベベル。出歩くと発作などで倒れたとき大変だからとか、そもそも歩行が臓器(肺か心臓か?)に負担をかけすぎるからとか、そんなところか。
「無用である」この時点でのレドの認識はこれ。これは今後果たして変わるのだろうか?
遠景が白くクレーンなど絵画的に描かれてて面白いカット。写実的にやるならこういうカットは作れない。興味深い。まぁもしかしたらBDで差し替わってしまうのかもしれんけど、こういうカットもあっていい。
歩いてきてたどり着いたのは、謎の塔のある広場。この塔はなにかのシンボルか?塔の頂上まわりには鳥が飛んでる。

塔を見渡せる船室が、 オルダム先生の診療所。
看護師が女児。人手不足なのか?
望遠鏡。医師というだけでなく、天文学などもできることがわかる。さすが五賢人(Aパートより)。
「失われた技術だ」そういう技術があった、という文献は残ってるのね。
本を手にとる先生。左は太陽系の3次元図、右は月探査船のモデル図(図鑑レベル)か?
「弱者保護の意義も、理解不能」に笑い出す先生。出来ておる
「稀人」この表現、どこかできてくれると思ってた。先生の落ち着いた人柄がわかる
「狭い範囲」同盟4億人以上いるんですけどね。まぁたしかに、閉鎖された狭いアヴァロンで暮らす同盟と、地球型惑星(というか地球)とでは、生態系のスケールは地球のほうがでかいか。
「有益かどうかは君が判断すべきことだ」自立した思考を促すオルダム先生の重要な台詞。

アイキャッチは、ベベルの持ち物だった。世界の図が表紙の図鑑はベベルお気に入りの本なのだろう。カイトの模型、船の模型も、ともに、乗り物の模型というのも、ベベルの人柄を示してる。コンパスなど模型工作(設計も含む?)用っぽい各種道具も面白い。

Bパート。
ベベルの待つ自宅へ向かう一行。このカットは2話以来?2話で家族団欒シーンがあったこともあり、自宅だーって安心感があったりする。
入り口廊下がキッチン。冷蔵庫、流し台シンク、コンロにオーブンと、近代的な調理機械が並ぶ。
レドの来訪に目を輝かすベベル。いいリアクション。
ベベルの弾む声。ベベル役の寺崎裕香の演技が光る。
洗濯物を恥ずかしがってあわてて物干しからおろすエイミー。そのあたりの感覚は我々と同じ。キッチンの描写もそうだけど、地球側は割と視聴者に近い感じを出そうとしてる(プライバシーとか倫理とか)、と見える。
「チェインバーの通信機械」的確に理解してるエイミーさすが。
「あれ、イケメン」レドみて第一声がそれかよメルティ。わらた

手をふってるサーヤはレドにふってるのかベベルにふってるのか?初対面のレドかな
転ぶエイミー。そそっかしいのね
 
宇宙に興味津々なベベル。情報交換、対話のシーン。
「銀河同盟発足時から」初遭遇についての情報がまだ得られない。それとも情報が開示されていない?まさか情報操作?地球人が作ってしまった生物兵器の可能性もあるか?エネルギー捕食型生命体として、なぜ恒星の輻射熱で満足せずわざわざ人間の居住するユニットを襲う?地球の寒冷化と温暖化になんらかの関連はある?ない?
「消耗したものは、死亡するのみ」デスマーチ。ですよねー。個人的に刺さる話。
「船団は組織じゃないよ。ただ、寄り合っているだけなんだ」奇跡的なユートピアにみえる。
「意味?」「みんなが安心して生きていけるなら、それでいいんじゃないかな」素朴だが本質をつく台詞。ベベルはときどき痛いところをついてくる。聡明である。
「それならヒディアーズを全部倒したら、銀河同盟はどうなるの?」
また痛いところをえぐるベベル。
 「待機する」あ、死ぬとかじゃないんだ。ちょっとホッとした。そりゃそうか。
目を輝かし「それなら僕達と同じだね」「待機って、生き続けるってことでしょ」
前向きに生を肯定するベベルのなんと強いことか。

ベローズに話しかけられ、なんとなく悩みを吐露するレド。
いうなれば「俺は無駄なことをしているのか」「今の俺は戦闘もせず、ただ無為に時間を浪費している」「俺は何をすべきかわからない」といったところか。
「慣れてないだけさ」慰め、「もっと自由に」的確なアドバイスをするベローズ、3話もそうだが、必要なところでフォローを入れることのできるベローズの役どころも重要。

雨。大事件なの?雨を知らないレド。
嬉しそうなベローズ。「真水は貴重なんだよ」なるほど低コスト真水生成技術は失われてるのね。
雨を集めるみんな。恵みの雨だ!
クレーンで帆布を張って雨を集めるベローズ。なるほどクレーンに走っていったのはそういうことか。
雨に打たれて嬉しそうな人々。彼らが生を謳歌する姿は、レドにとっては初めてみる景色か。レドはそこに何をみたのか。

「脳波に変化あり」アルファ波やベータ波じゃなくて、心境の変化のことかな?
「イケメン発見」メルティも雨を浴びたあとなので水滴ついてる。
「かわいそうだよね、一人で知らないとこにきちゃってさ」サーヤの感想は、レドとちょっと離れた普通の人々の視点の代表か。
「うちで乾かしていきなよ」やっぱり親切なエイミー。弟が喜んでたから、また弟に会わせたいっていうのもあるだろう。

「スコール」なるほどスコールなのね。
「僕は、自分のこと不必要だなんて思ってない」しっかりと自己肯定をできているベベル。新しい環境に戸惑い自信をなくしているレドとの対比。
人と人が互いに必要とされてること、の意味を問いなおしてるともいえる。
 「必要だって、そう思える人はいないの?」視聴者への問いかけでもあると感じた。そして、この問いかけ、実はレドにとって重要な人がいたことの伏線にもなる、とても重要な台詞にもなる(あとでわかります)
「何よりも、僕にとって僕が必要だから」スゴイツヨイ心ですベベルさん。
心折設計の現実社会に比べて、ガルガンティアがそれだけユートピアだ、ともいえるし、現実でだって自分なりに自己肯定できるといいよね、ともいえる。
「オレハ…」レドは何がいいたかったのか。あるいはまだ言葉にならない、レド自身も気づかない、レドにとって新しい何かなのかも知れない。
「笛」謎を解くベベル。賢いです。重要人物な気がしてきた。虚淵は何話でベベル殺すんだろ、と一瞬思うも、きっとこれそういう話じゃねーから!
笛吹きはじめるベベル。うますぎだろ。あとストリングがこっそり同時に入ってきてつい笑ってしまう。劇に密着するなら独奏のほうが好みだなって思って。まぁシーン全体を盛り上げるならストリングス入りのほうが効果的なのはわかる。

レドの回想。追憶(タイトルより)。
ベッドの幼い少年。今のレドと同じように笛を作っている。
ベッド(生命維持ユニット・隔離カプセルか?)の外から見守るパイロットスーツの年かさの少年はレドか?
そして…船外投棄かよ!いままで散々言われてきた話が、比喩・概念でなく実際にシーンとして出てくる衝撃。(船外投棄じゃなくてバラバラにされていろんな材料にリサイクルされた可能性も)
空っぽになったユニット。かつて弟がいたユニット。そこにはもう弟はいない。


レドの頬を伝う涙。
「ワカラナイ」忘れてたレド。1話で言っていた「忘れて」きたものには、肉親の記憶も含まれてたのか。
レドが笛を作る行為は、弟の行為を模したものだった。戦いのために忘れ去った弟のことだが、笛を作るという行為だけはレドの記憶に残ったのだ。
「何か、悲しいこと思い出したんだね」ベベルの指摘はやっぱり鋭い。
「ソレ、モウイチド、ホシイ」弟を思い出すよすがとしてだろうか。レドはどこまで弟について思い出したのだろうか。回想でみた部分までかな。
生きている弟(エイミーの弟であるベベル)と、死んだ弟(レドの弟)との対比。
今回のベベルはほんまにキーパーソンやね。
長い話に時間が過ぎて、夕方から夜になっていく。わずかなカットでそういったとこをみせるのは、やっぱうまいと思う。
お茶「サーヤのおすすめ」。この後すぐ場面転換するが、3人で団欒、楽しい時間を過ごしたことがわかる。いいカット。

夜。チェインバーとの会話。「この星のことを知る必要がありそうだ」レドにとっての、「もっと知りたい」「好きになりはじめている」という心情の描写。
「ああ、わかってる」一見無機質に聴こえるレドの台詞だが、果たしてレドの心中は。今後間違いなくくるであろう選択の時に、レドは銀河同盟を選ぶのか、あるいはガルガンティアで過ごすのか?そしてチェインバーのとる行動は。
ここまでの描写からは、レドの心境の変化が始まったことがみてとれる。
そのキーとなったのはベベルとの対話、ベベルのしっかりとした心と言葉であった。

ED。予告映像。ヒャッハー水着回だ!(さっきまで感動してた人はどこいった

エンドカードも、雨のあとのシーンのようだ。本編と連動してるのは、良いね。